2014年4月24日木曜日

よみがえる愛

そう云えば、いつも金の事で、夫婦喧嘩ばかりして居たなあ。

しかし、酒代は私が自分で稼いだ。

それでも、君は私が酒を呑む事を許さなかった。


私と君は、本当の永遠の夫婦なのだ。

私がアル中で死にかけた時は、君が背中で助けてくれた。

私は君の背中に抱き付いた。

君は笑っていたっけ? 泣いていたっけ?


離婚用紙も、何度も取り寄せたけど、結局いつも、立ち消えた。

三人の子供達が、助けてくれた。

子供は本当に、有りがたい。


今の日本は飢えで死ぬ事は、ほとんど無い。

子供達は、金が欲しい時は、自分で稼いだ。

そして、独立する為に、都会へ出た。


私と君は、今、♀チワワと三人暮らしで、君は工場、私は小説書きに熱心だ。


外食も、よくして来た。私は君の手料理が、好きで、いつも君に甘えた。


セックスも若い頃、何度もした。私と君は、一度も浮気した事が無い。


悪者に成ろうか、と喧嘩した後、二人共、思ったが、一晩明けると善人に、戻った。


不思議な事だ。


他人で在った男女が、結婚し、セックスまでして、子供まで造る。


君は私が宗教をやる事に反対した。

その忠告は、今は胃に痛い。


私は胃かいようだが、胃カメラを呑みたく無い。

結局、行きつけの精神病院で、安定剤を貰い、呑むと、すぐ効く。


やはり、私は君同様、ストレスが胃に来る歳に成った。

私は四十八歳で、酒を卒業し、今では、君も、幸せそうだ。


私は今、六十四歳だ。


この先、百二十八歳まで、生きる心算(つもり)だ。


君は、私のこのセリフに笑ったっけ? 泣いたっけ?

君は泣いたのだね。(了)

2014.04.16

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